これが恋じゃないとしても
これが恋じゃないとしても
「ねぇねぇ、ショウちゃん!」

この掛け声、この3年でどれだけ聞いただろう。

振り向くと、いわゆる隠れイケメンではあるものの、情けないヘタレ男子の今西が居る。

「なんだよ」

俺はぶっきらぼうに返す。

「これ、Bon JoviのCD返そうと思って。凄くよかったよ!ありがとう」

「ああ⋯⋯」

「ショウちゃん、アイドルソングなんか聴いてるような奴は、女の子に相手にされないってアドバイスくれたじゃん?」

「んー⋯⋯言った⋯⋯かもな?」

「えー!覚えてないの?ひどっ!」

「うるせえな。そんなことよりオマエ、まだ大学決まってねえんだろ?少しは焦れよ!」

俺は、自分が誰より早く進学先が決まっていたので、余裕だった。

3月末には、上京する。

指定校推薦で、東京の大学への進学が決まっているのだ。

呑気な今西は、どうするつもりなのやら⋯⋯。

毎回、模試の結果を見せられるが、高望みしているせいで、未だに全部D判定ばかりだ。

「オマエなぁ⋯⋯今の時期にD判定の学校なんて、毎日10時間勉強したって受かんねぇから!何でもかんでもナメてかかりすぎなんだよ、全く情けない⋯⋯」
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