これが恋じゃないとしても
「大体みんな、親に払ってもらってるよ?」

嗚呼⋯⋯こういうところにもイライラする。

「みんな、みんな、って、何でみんなと同じじゃなけりゃいけないんだ?俺は今、ケータイを必要としてないし、お遊びに使うものを親に払わせる気もない。バカ面下げてケータイ弄ってる暇がありゃ、1冊でも本読むか、映画観たいんだよ。これでわかるか?」

そう言いきると、今西はまたしょんぼりして無言だったな⋯⋯。

しかし、本当に変な奴だ。

俺に言われたくないかもしれないが。

どうして、これほど性格の悪い俺にベッタリなのか。

3年間、これでもかというほど、今西にはキツい言葉でダメ出しをし続けてきた。

我ながら、嫌な奴だと思う。

それでも、あいつはめげることもなく、ずっと俺にまとわりついてきた。

今西は、東京の大学に進学するつもりはないらしい。

この地域に住む高校生は、関西か名古屋に進学する人が多いから、それは何の不思議もない。

俺は東京へ、と早くから決めていたので、今西とは卒業と同時におさらばだ。
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