泡のような世界で君と恋をする
 身体を起こそうとすると、ふらりと視界が揺れた。
 その瞬間、別の気配が近づく。

「人間、起きた?」

「わ、本当に地上の匂いする」

「ルシア様、本当に連れてきたんだ」

 声。
 一つじゃない。

 振り返ると、数人の人魚が興味深そうにこちらを見ていた。
 色の違う尾、違う瞳。
 でも全員が、人ではない。

 視線が一斉に集まって、思わず身をすくめる。

「……っ」
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