泡のような世界で君と恋をする
 一瞬の静寂。

 ルシアが、私を見下ろす。

 感情の読めない目。

「澪」

 小さく、確かめるように。

 ――呼ばれた。

 名前を。

 それだけなのに、身体の奥が熱くなる。

「……澪」

 二度目は、少し低く。

 その呼び方が、胸に重く落ちた。
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