泡のような世界で君と恋をする
―――王の間

王の間は、冷え切っていた。

帰還を告げる声はあっても、祝福はない。
玉座の前に並ぶ長老たちの視線が、僕に集まっている。

「――共鳴を使ったな」

低く、感情を削ぎ落とした声。

僕は、否定しなかった。

「王家の力を、個人のために使った」
「しかも、人間に」

空気が、わずかに軋む。
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