泡のような世界で君と恋をする

第12話 拒む

境界は、静かに揺れていた。

音はない。
だが、水の流れが、ほんのわずかに歪む。

「……始まってる」

セリオが低く言った。

禁域の外縁。
かつて私が攫われた場所。

「共鳴がない状態で、ここまで反応するのは異常だ」
カインが眉をひそめる。

「澪」
ミルルが視線を向ける。
「……無理そうなら、戻れ」

私は、首を振った。

「行きます」

即答だった。

王の間で選んだ。
境界に立つと。
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