泡のような世界で君と恋をする

第13話 終

――境界の、その先

海は、穏やかだった。

境界が固定されてから、
潮の流れは不思議なほど安定している。

禁域は禁域のまま。
だが、恐怖の象徴ではなくなった。

「……静かだね」

私が呟く。

人魚の王国の外縁。
人間が立っても、拒まれない場所。

「境界が、役目を終えたわけじゃない」
ルシアが答える。

「ただ、誰かを閉め出すためのものではなくなった」

私は、足元の水を見つめる。
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