泡のような世界で君と恋をする
ここで、自分は拒まれた。
ここで、踏みとどまった。
ここで、選んだ。

「……私」
澪は、ゆっくり言った。
「特別な力は、持ってないですよね」

「持っていない」
ルシアは即答する。

「だからこそ、意味がある」

王としての言葉ではない。
評価でもない。

事実としての肯定。

私は、小さく笑った。

「じゃあ、私は」
「ただの人間として、ここに立ったんだ」

「それで十分だ」

共鳴は、ない。
もう、戻らない。

でも、かつて感じていた“繋がり”よりも、
今の距離の方が、はっきりしている。

近いから、隣にいるのではない。
選んで、並んでいる。
< 98 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop