鈴村君の裏の顔
自分でも驚くほど、自然に声が出た。
「ねぇ、君達」
「僕の話、してたよね?」
軽い冗談のつもりだった。
彼女の友達は案の定、
分かりやすく動揺していたけど……
彼女だけは違った。
俺を見て、
ただ、淡々と会釈しただけ。
えっ?反応が薄い……
こんな事あるんだ……
へぇー……僕に興味、
ないって顔だね。
普通の女の子はすぐ甘い顔になるのに。
そう、この周りの女子みたいに……
いつもそうだった……
でも、彼女だけ違った。
でも……その反応が、逆に新鮮だった。
思わず僕は少し屈んで、
彼女の顔を覗き込む。
「へぇ……」
本当に、面白い子だ。
しかも……やっぱり可愛い……。
「よろしくね。」
そう言って、営業スマイル全開で
彼女に笑顔を向けた。
そして、彼女にだけ。
「仲良くしよう」
気付いたらそう囁いていた。
その後は彼女のグループと離れ、
僕は友達を連れてカフェの出口に出た瞬間……
初めて知った。
彼女の友達の一人が、
彼女の名前を呼んだ。
――望愛。
……三上、望愛って言うんだ。
胸の中で、
その名前を転がす。
スタジオで見た、
あのキラキラした存在。
そして今日、
大学で再会した彼女。
偶然、にしては……
出来すぎているぐらいだ。
俺はカフェを後にしてからも
確信していた。
この出会いは、
ただの通りすがりじゃない。
これって運命じゃん!
こんな気持ちは初めて……だ。
……きっと、また会う。
と言うか、望愛ちゃんが欲しい……。
こうして僕は、もう一度彼女と接点を
取る為の方法の計画を立てた。
岡崎大和 side 終わり