君に捧げるアイラブユー
アイドル雑誌を見ながら「このビジュやば……」とか呟いてる三木を置いて、私はふらっと教室を出た。
このまま机に突っ伏してても、東のことばっかり考えて余計しんどくなる気がしたから。気分転換。
渡り廊下は教室より少し静かで、窓の外から入ってくる風が気持ちよかった。
自販機の前に立って、私はぼんやり並んだペットボトルを見つめた。
どうしよう。何飲もうかな。甘いやつ飲みたい気もするし、でも喉渇いてるからお茶もいいし……。
いや、そんなことより。東、今なにしてるんだろ。まだ怒ってるかな。私のこと探したりなんて、さすがにしてないよね。
……してないか。普通。
私は小さく息を吐きながら財布を取り出した。
あ、でも。三木の分も買おうかな。いつも話聞いてくれてるし。なんだかんだずっと慰めてくれてるし。こういうとき三木いなかったら、たぶん私はとっくに机で溶けてた。
三木には感謝しないと。炭酸好きだったっけ。いや、でも授業中げっぷ我慢して苦しんでたことあったな。じゃあミルクティー?いや甘すぎるって言ってたような――
そんなふうに自販機の前でうだうだ考えていた、そのときだった。
コツ、コツ、と聞き覚えのある足音が近づいてくる。
反射的に胸が跳ねた、次の瞬間、肩にふっと重みが乗った。
「西宮……!」