君に捧げるアイラブユー



アイドル雑誌を見ながら「このビジュやば……」とか呟いてる三木を置いて、私はふらっと教室を出た。

このまま机に突っ伏してても、東のことばっかり考えて余計しんどくなる気がしたから。気分転換。

渡り廊下は教室より少し静かで、窓の外から入ってくる風が気持ちよかった。

自販機の前に立って、私はぼんやり並んだペットボトルを見つめた。

どうしよう。何飲もうかな。甘いやつ飲みたい気もするし、でも喉渇いてるからお茶もいいし……。

いや、そんなことより。東、今なにしてるんだろ。まだ怒ってるかな。私のこと探したりなんて、さすがにしてないよね。

……してないか。普通。


私は小さく息を吐きながら財布を取り出した。


あ、でも。三木の分も買おうかな。いつも話聞いてくれてるし。なんだかんだずっと慰めてくれてるし。こういうとき三木いなかったら、たぶん私はとっくに机で溶けてた。


三木には感謝しないと。炭酸好きだったっけ。いや、でも授業中げっぷ我慢して苦しんでたことあったな。じゃあミルクティー?いや甘すぎるって言ってたような――



そんなふうに自販機の前でうだうだ考えていた、そのときだった。


コツ、コツ、と聞き覚えのある足音が近づいてくる。


反射的に胸が跳ねた、次の瞬間、肩にふっと重みが乗った。



「西宮……!」


< 108 / 163 >

この作品をシェア

pagetop