君に捧げるアイラブユー
「お願い、西宮。リベンジさせて」
東が少しだけ眉を下げながら言った。
「……リベンジ?」
頭が追いつかないまま聞き返すと、東はまっすぐ私を見つめた。
「今日、一緒に帰ろう」
…………え。今日。一緒に。帰る?
脳内で言葉を繰り返す。でも全然処理できない。
東はさらに追い打ちをかけるみたいに、「お願い」ともう一度言った。
ずるい。東ずるい。
さっきまで“今回は絶対折れない!”とか思ってた私はどこいったの。
三木ごめん。無理だった。東が強すぎる。
気づけば、昨日相合傘してた女の子のことなんて、もう頭の中から消えていた。さっきまであんなに引きずってたのに。
今私の頭を埋め尽くしてるのは、目の前で焦ったみたいな顔をしている東だけ。
私の頬を包み込んで、真っ直ぐ見つめてくる大好きな人だけ。
「……ずるいの、東じゃん」
やっとの思いでそう呟くと、東が一瞬目を丸くした。それから少しだけ、安心したみたいに笑う。
その笑顔を見た瞬間、胸がきゅうっと苦しくなるくらい幸せで、私はもう完全に負けたって悟った。