君に捧げるアイラブユー
東のことになると、私はいつもこうだ。分かってるつもりで、全然分かってない。いや、分かってるのに分からないふりしてるだけかもしれない。だって本当に答えを聞いたら終わっちゃう気がするから。
ちゃんとした答えが出てしまったら、今のこの曖昧な期待ごと全部崩れてしまう気がして怖い。
授業中、ふと窓の外を見ながら、私は無意識にため息をついていた。東も、少しは私に振り回されてくれたのかな。
今日のあれは、私だけが浮かれてるやつじゃないといいな。もし全部ただの気まぐれだったらどうしようって思うのに、もしそうじゃなかったらどうしようっていう期待も同じくらい怖い。
結局どっちでも怖いのに、それでも期待の方だけが勝手に大きくなるのが一番ずるい。
私は机に視線を戻して、意味もなくペンを回しながら小さく心の中で呟いた。
今回は、勘違いじゃないといいなって。
そう思った瞬間、自分がもうとっくに答えを欲しがってることに気づいてしまって、余計に胸の奥が落ち着かなくなった。
すぐにやってきた放課後は、さっきまでの授業が嘘みたいに一瞬で切り替わったみたいで、チャイムの音が鳴った瞬間から心臓のリズムだけが別の生き物みたいにうるさくなっていた。
まだ何も起きてないのに、もう緊張してるのが自分でも分かる。
三木には「部活行ってくるね〜頑張って〜」みたいな軽いノリで流されて、とにかく気づいたら一人で昇降口に立っていた。