君に捧げるアイラブユー



ふう、と長く息を吐く。


よし。大丈夫。切り替えよう。


そう思って歩き出した、その時だった。



「……え」



下駄箱から一段上がったところに、東がいた。一瞬、本気で心臓止まるかと思った。



「東?」

「西宮、一緒に行こうよ」

「……え?」

「だめ?」



理解が追いつかない。なんで。なんで急に。

東は少しだけ首を傾げる。


心臓がうるさい。だめだ。



「……き、北見は?」

「もう行ったよ」



……え。もしかして。もしかして北見、空気読んだ?いやいや、嘘でしょ。

こういう時だけ察するのなんなの!?今日は、東と顔合わせたくなかったんだってば!



「天馬、いたほうがよかった?」

「えっ?いや、全然全然——」



本当に、北見なんていようがいまいがどうでもいいし。


でも今はそういう話じゃなくて。問題はそこじゃない。だって東、さっきあの子には断ってたのに。私とは一緒に行ってくれるんだ。


なんで?どうして?


その考えが浮かんだ瞬間、胸が勝手に期待してしまいそうになって、慌てて自分で打ち消した。


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