君に捧げるアイラブユー



「俺に声かけてくれたらよかったのに」



……なんでそんなこと言うの。

一瞬言葉に詰まってから、やっとの思いで視線をそらさずに口を開いた。



「………なんで?東は、朝下駄箱で一緒にいた子と、昨日相合傘して帰ってたでしょ」



言った瞬間、自分でも分かるくらい声のトーンが少しだけ尖ったのが分かってしまう。

あ、やっちゃった。完全に八つ当たりだ。

分かってるのに止められなかった。

だって、あの光景がまだ頭に残ってるから。楽しそうに隣にいた女の子と、優しく傘を傾けてた東と、それを見て何もできなかった自分がずっと引っかかってるから。東はその言葉を聞いたまま、一瞬だけ黙った。


その沈黙が怖くて、でも同時に逃げたくなくて、私は無意識に拳をぎゅっと握る。

ねえ東、今どう思ってるの。呆れてる?また笑って誤魔化す?それとも……少しは、困ってくれてる?



「見てたの?」

「うん。よかったね、あの子が濡れなくて」



できるだけ何でもないふりをして言ったつもりだったのに、口から出た瞬間からその言葉が自分の胸に逆流してくるみたいに重くなっていくのが分かった。


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