君に捧げるアイラブユー
気づいたら、袖を掴んでいた。制服の左袖をきゅっと握って、逃がさないみたいに、でも力は弱くて、すぐほどけそうなくらいの必死さで。
どこかで見た「かわいい上目遣い」なんてものを思い出して、必死にそれっぽい顔を作る。
「もう、帰るの?」
どうだ、東。
ちゃんと伝わってる?まだ一緒にいたいって、気づいてる?
その瞬間、東は一瞬きょとんとして、それからすぐ、あの余裕の顔に戻る。
やめて、その顔。絶対分かってるくせに。
「また、一緒に帰ろうね」
そう言って、ぽん、と頭に手が置かれた。軽くて、優しくて、少し低めの温度。
「~~~~っ!」
心臓がうるさすぎて、もう何も考えられない。ただ一つだけ分かるのは、東のせいで、今日も私は簡単に振り回されてるってことだった。