君に捧げるアイラブユー

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「それで?まんまと丸め込まれたわけだ」

「……うっ、」



朝のまだ少し冷たい空気が残る二階の廊下、窓際。

ガラス越しに見える校門の方では、制服姿の生徒たちがぞろぞろと登校してきていて、そのざわめきが遠くの波みたいに響いている。

その景色をぼんやり眺めながら、私は昨日の帰り道のことを三木に話していた。気づいたら口が勝手に動いていたあたり、たぶん私はまだ全然整理できてない。

「丸め込まれた」なんて言葉、やめてほしい!いや違う、やめてほしいというより、図星すぎて刺さるからやめてほしい!

でも違う!と胸を張って言い切れない自分が一番腹立たしい。



「東も東よね。人たらしというか、なんというか」



三木はそう言いながら、窓の外に向かって軽く手を振っている。視線を追うと、どうやらバスケ部の先輩らしい。



「人たらしって、言葉自体はちょっとよくないけど…それが東のいいところでもあるんだよね」



三木の言葉に、私は曖昧に頷きながらも、胸の奥が少しだけざわつく。

人たらし。確かにそうかもしれない。優しくて、距離感が絶妙で、誰に対しても自然に気を遣えて、気づいたら相手が特別扱いされてる気分になる。ずるいくらいに。


それでいて本人は多分無自覚で、だから余計に質が悪い。


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