君に捧げるアイラブユー
みんなが口を揃えて「イケメン」と言うようなタイプには、なぜか惹かれない。むしろ少し外れたところにいる人とか、気づいたら目で追ってしまうような、そういう人にだけ、妙に心が動く。
『北見くん、かっこいいよね。すぐりもそう思わない?』
『えー、うーん……そうだね?』
正直なところ、私はその“そうだね?”の中身を自分でもよく分かっていなかった。
北見がかっこいいと言われるのは、たぶん事実なんだと思う。整った顔立ち、目立つ雰囲気、周りから自然と視線を集めるタイプ。世間一般的に見れば「かっこいい部類」に入るのは理解できる。
でも、それがそのまま“好き”に繋がるかと言われたら、私の中ではまったく別の話だった。
どれだけ評価されていても、どれだけ人気があっても、私の心は特に動かない。
ただ「そうなんだ」と思うだけで終わってしまう存在。だから私はきっと、世間と少しだけズレているのかもしれない。
そんな私の視線を、最初から完全に奪っていたのは、ただひとりだった。
北見天馬よりも、東汀。
気づいたときにはもう、そっちに目がいっていた。
北見の隣にいることが多いはずなのに、私の記憶に残るのはいつも東の方だった。
もともと、東の顔は私の“タイプ”のど真ん中に刺さっていた。派手すぎないのに目を引く、整っているのに近寄りがたくない、その絶妙なバランス。それに加えて、ギラギラしていないところがよかった。
自分を大きく見せようとしない感じとか、余裕があるのに嫌味がないところとか、そういう細かい部分が、じわじわと効いてくるタイプだった。