君に捧げるアイラブユー



『東くんて、いつも北見くんと一緒にいるよね』



そんなふうに周りの女子が話しているのを聞いたことがある。

でも私からすると、それは少し違って見えていた。

東が北見にくっついているというより、むしろ逆で、北見のほうが東の隣にいることを選んでいるように見えた。離れないのは東じゃなくて北見のほう。そんなふうに感じていた。


東汀は、こういう人だ。

まず一つ目、問答無用で顔がいい。

北見のほうが派手に“整っている”と言われることはあっても、東には東の良さがあって、それは比較とか優劣じゃなくて、ただ単純に“目が離せない”という種類のものだった。


二つ目、コミュニケーション能力が高い。

誰とでも自然に話せるし、距離の取り方が上手い。気づいたら相手の警戒心をほどいているようなところがある。それは才能だと思う。


三つ目、誰よりも優しい。

これが一番厄介で、一番ずるいところだった。誰に対しても優しいのに、その優しさがちゃんと“特別みたいに”感じてしまう瞬間がある。だから人たらしなんて言われるようになる。

納得できてしまうのが悔しいくらいに、そういう人だった。


< 127 / 163 >

この作品をシェア

pagetop