君に捧げるアイラブユー
最初は本当に、ただのクラスメイトだった。むしろ“ちょっと気になる推し”くらいの軽さだったと思う。恋愛経験なんてほとんどない私にとって、「好き」と「憧れ」と「なんとなく気になる」の違いなんて、正直よく分かっていなかった。
ドキドキも胸キュンも、物語の中だけのものだと思っていた。現実には存在しない感情だとすら思っていた。
なのに、ある日を境に、それは変わった。
東を、ただのクラスメイトとして見られなくなった瞬間が、確かにあった。
「私が、何気なく言ったことも全部……覚えてくれてるんだよ、東は」
三木は、ふーんと興味なさそうに窓の外へ視線を流した。聞き出したのは自分のくせに、その反応はあまりにも薄い。
「それも、自販機だっけ?」
「そうそう、三木よく覚えてるね」
あの出来事は一年の夏頃だったと思う。
まだクラスの空気にも慣れきっていない頃で、私はただなんとなく学校生活を過ごしていた。そんな時、偶然渡り廊下の自販機で東と一緒になった。
『西宮は、これでしょ』
そう言って東が指さしたのは、カルピスソーダだった。
『え!?なんで分かるの?』
思わず素で驚いた私に、東は当たり前みたいな顔で続ける。
『前、言ってたの覚えてない?苦手なのは、これでしょ』
『すごい!なんで覚えてるの?』