君に捧げるアイラブユー
「え?気づいてる?」
「手、振っちゃえ!」
三木の声に背中を押されるみたいに、私は少しだけ迷って、それから思い切って手を振った。
私じゃなかったら恥ずかしいな、なんて一瞬よぎるけど。
できるだけ大きく、分かるように。すると東はすぐに気づいて、軽く笑って手を振り返してくれた。その瞬間、全部がどうでもよくなるくらい、胸の奥がふわっと軽くなる。
「……もう、これだけで生きていける」
「単純だな、ほんと」
単純だよ、本当に!
「まぁ、部外者の私から見ても、東もすぐりに気あると思うけどね」
「ねー!?やっぱり、そう思う!?嫉妬したとか、好きじゃないと言わないよね!?」
勢いのまま三木の肩に手を置いて食い気味に返してしまう。案の定、三木には「うるさい」と即座に切り捨てられた。
「でも、さっき見た通りすぐりだけじゃないかもしれないし。なんせ、天然たらしだから!」
「……う、」
そうだ。そこが問題なんだ!
両想いなのでは?って思う自分と、いや違う、ただの優しさだよ!って冷静になる自分が、頭の中で何度も入れ替わる。
期待と不安が同じ強さでぶつかってきて、どっちに転んでも落ち着かない。
結局私は、その狭間で揺れ続けることしかできない。