君に捧げるアイラブユー



「なんか、東と近づけるイベントとかないのかな…」

「握手会とか、ファンミ的な?」



三木はスマホを取り出してカレンダーを開いていて、その動きをぼんやり目で追っていると、「あ」と小さく声を出したまま画面をこちらに向けてきた。



「再来週の、金曜日?」

「あ!」


遠足!

そうだ、完全に忘れてた。遠足といっても遊園地とか観光地とかじゃなくて、清掃ボランティアをしながら山をハイキングして、途中でゴミ拾いをして、お昼は班ごとにカレーを作るという、体力も協調性も試されるちょっと変わった課外授業みたいなものだ。

普通なら「めんどくさい」で終わる行事かもしれないけど、今の私には全然違って見える。



「クラス違うし、班も違うけど…結構アリじゃない?」

「…超アリ」



ねえこれ、もしかして、かなりチャンスなのでは?



「…三木、私本気で頑張ってみる」

「告白するってこと?ついに?」

「…が、頑張る!」



今まで私はずっと、東に“好き”を伝えてこなかった。伝えなくても分かってくれるかもしれないとか、気づいてくれるかもしれないとか、そんな曖昧な期待の中で勝手に揺れていただけだった。

でも、それじゃ足りないのかもしれない。好きのアピールをどれだけしても、東が気づかないのは、きっとちゃんと伝わる形になっていないからだ。

東にちゃんと特別扱いされたい。誰でもない“私”として見てほしい。

私のことが好きなのか、それともただ優しいだけなのか、そんな曖昧な場所で振り回されるのはもう嫌だ。

決めたい。はっきりさせたい。


東に、私の気持ちを知ってほしい。


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