君に捧げるアイラブユー
I LOVE YOU ♡Ⅲ
君と距離
「はい、じゃあ気を付けて行けよ〜!着いた班からカレー作りな〜!」
先生の大きな声が山の入り口に響き渡る。
ついにやってきた遠足の日。
私の右手にはトング、左手にはごみ袋。
周りを見れば同じような格好の生徒たちがわいわい騒いでいて、それなりに楽しそうだけれど、やっぱり色気なんて全然ない。
でも――今日だけはそんなこと、どうでもよかった。だって東がいるから。あの日から、ずっと今日のことばかり考えていた。
少しでも近くで歩けたらいいなとか、話せる機会があったらいいなとか。そんな期待を胸の奥にぎゅっと詰め込んで、この日を待っていたのだ。
「すぐり、あっちに東いるよ」
隣を歩いていた三木が小声で耳打ちする。私は慌てて視線を向けた。
少し後ろ、人混みの向こうに見える見慣れた姿。黒いリュックを背負って、友達と話しながら歩いている東。その姿を見つけた瞬間、胸がどくんと大きく鳴った。
いた。東だ。
ただそれだけなのに、心臓が落ち着かない。遠くから見ているだけなのに、顔が熱くなってしまう。
「どうしよう……やっぱり遠そうだね」