君に捧げるアイラブユー
せっかく同じ場所にいるのに、学年もクラスも違う。しかも東は3組で、私は1組。スタート時間も違うらしい。
「何言ってるの、近くで歩けばいいじゃない」
三木は呆れたように言う。でもそんな簡単な話じゃない。私たちの班は5人編成だ。三木と私だけじゃない。ほかにも3人いる。勝手な行動なんてできるわけがないし…。
それに東だって班で行動している。近づきたくても、そんな都合よくいくはずがないのだ。
「無理だよ……」
私は小さく呟いた。すると三木が突然大きな声を出した。
「私、体力ないから〜。ゆっくり行きたいんだけど〜。ゆっくりじゃないと倒れちゃうかも〜」
思わず吹き出しそうになる。
何その演技!現役バスケ部エースの三木が体力ないわけない。毎日走り回ってるくせに!
こんなの絶対バレる。誰も信じないよ。そう思っていたのに。
「俺もあんまりやる気ないからゆっくり行きたいかも」
「あー、俺も別に急がなくていいかな」
「じゃあゆっくり行こっか。昼までにつけばいいしね」
班のみんながあっさり同意した。
えっ。嘘でしょ。本当に信じたの?
私は思わず三木を見る。三木も私を見る。そして二人同時に目を合わせた。「やったね」という声が聞こえてきそうな顔だ。