君に捧げるアイラブユー
「西宮さん、三木さん、行くよー!」
前のほうから班の子の声が聞こえてきて、はっと我に返った。気付けばみんなとの距離が少し開いている。東と話せたことが嬉しくて、すっかり立ち止まってしまっていたらしい。
「えと……じゃあ、私行くね」
もっと話したい気持ちを押し込めながらそう言うと、東はいつも通りの顔で「西宮、またあとで」と軽く手を上げた。またあとで。その一言だけで胸がふわっと軽くなる。
たぶん東は何も考えていない。ただの挨拶みたいなものなんだろうけど、それでも嬉しかった。
「うん……」
そう返事をしながら、何となく東の隣に立つ南野さんへ視線を向けた。
するとその瞬間だった。
ぞくり、と背筋が震える。
南野さんが私を見ていた。しかも笑顔じゃない。さっきまで東に甘えた声を出していた可愛らしい顔じゃなくて、真っ直ぐに私を見据えている。その目に浮かんでいる感情を理解した瞬間、心臓が嫌な音を立てた。
敵意。
間違いなくそうだった。
たった一瞬だったはずなのに、ものすごく長く感じる。睨まれた。明らかに私を。
なんで?私、何かした?