君に捧げるアイラブユー



「西宮さん、三木さん、行くよー!」



前のほうから班の子の声が聞こえてきて、はっと我に返った。気付けばみんなとの距離が少し開いている。東と話せたことが嬉しくて、すっかり立ち止まってしまっていたらしい。



「えと……じゃあ、私行くね」



もっと話したい気持ちを押し込めながらそう言うと、東はいつも通りの顔で「西宮、またあとで」と軽く手を上げた。またあとで。その一言だけで胸がふわっと軽くなる。

たぶん東は何も考えていない。ただの挨拶みたいなものなんだろうけど、それでも嬉しかった。



「うん……」



そう返事をしながら、何となく東の隣に立つ南野さんへ視線を向けた。

するとその瞬間だった。

ぞくり、と背筋が震える。

南野さんが私を見ていた。しかも笑顔じゃない。さっきまで東に甘えた声を出していた可愛らしい顔じゃなくて、真っ直ぐに私を見据えている。その目に浮かんでいる感情を理解した瞬間、心臓が嫌な音を立てた。


敵意。

間違いなくそうだった。

たった一瞬だったはずなのに、ものすごく長く感じる。睨まれた。明らかに私を。


なんで?私、何かした?


< 142 / 163 >

この作品をシェア

pagetop