君に捧げるアイラブユー
結局、東は何に対して不機嫌だったんだろう。あの朝の空気、あのちょっとだけ刺々しい声、いつもと違う距離感。
全部思い出そうとするのに、ちゃんとした答えだけが抜け落ちてるみたいで気持ち悪い。
なんで一緒に帰ろうなんて言ってきたんだろう。
“天馬だけ、ずるいよ”なんて、あの言葉もずっと引っかかってる。
ずるいってなに。何が。私が北見といたこと?それとも、私が何かした?それともただの冗談?
考えれば考えるほど分からなくなるのに、分からないふりをしてる自分もいる気がして余計に嫌になる。
だって本当は少し分かってるから。東の言葉って、いつも優しくて、いつも曖昧で、その曖昧さのせいで私が勝手に期待してるだけだってことも。
でも、それをちゃんと認めるのが怖い。認めたら終わってしまいそうで。
勘違いしたくないって思ってるのに、いちばん勘違いさせてくるのは東で、しかもそのくせ何も言わないからずるい。