君に捧げるアイラブユー



隣に一人分空いた距離があるのが、安心でもあり、同時にすごく寂しくもあって、どっちの感情が本当なのか分からないまま視線だけ前を向ける。



「朝聞けなかったけど、風邪引いたの?」

「うん。昨日、傘なくて帰ったらびしょ濡れだった」



そう答えると、東がほんの少しだけ眉を寄せて足を止めた。



「俺に声かけてくれたらよかったのに」



……なんでそんなこと言うの。


一瞬言葉に詰まってから、やっとの思いで視線をそらさずに口を開いた。



「………なんで?東は、朝下駄箱で一緒にいた子と、昨日相合傘して帰ってたでしょ」



言った瞬間、自分でも分かるくらい声のトーンが少しだけ尖ったのが分かってしまう。


あ、やっちゃった。完全に八つ当たりだ。


分かってるのに止められなかった。



だって、あの光景がまだ頭に残ってるから。


楽しそうに隣にいた女の子と、優しく傘を傾けてた東と、それを見て何もできなかった自分がずっと引っかかってるから。東はその言葉を聞いたまま、一瞬だけ黙った。



その沈黙が怖くて、でも同時に逃げたくなくて、私は無意識に拳をぎゅっと握る。


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