君に捧げるアイラブユー
最低だなと思う。でも少しだけ安心したかった。今だけは東と二人で話したかった。誰にも邪魔されずに。
そんなことを考えていると、東が不意にこちらを見た。
「どうした?」
目が合う。近い距離で。心臓が跳ねる。
「えっ」
「さっきからぼーっとしてる」
東が少し不思議そうに首を傾げる。私は慌てて首を振った。
「な、なんでもない!」
変な声が出た。恥ずかしい。絶対変だと思われた。
「ほんとに?」
東が少し眉を上げながら私の顔を覗き込んでくる。その瞬間、心臓が止まりそうになった。
近い。近い近い近い!なんでそんなに自然に顔を寄せてくるの。東にとっては普通なのかもしれないけど、私にとっては大事件なんだけど!
至近距離に東の顔がある。長いまつ毛も、綺麗な目も、少し汗の滲んだ額も全部見える。
「うっ……」
情けない声が漏れて、私は慌てて顔を逸らした。
もう、東ってば!近いんだって!そんな無防備に近付かないでよ!私、あなたのこと好きなんだから!
叫べるものなら叫びたい。でもそんな勇気があるわけがない。好きな人本人を前にしてそんなこと言える人間なら、とっくの昔に告白している。