君に捧げるアイラブユー
「どうしたの?」
東の優しい声が耳元で聞こえる。同時に肩がトンと軽くぶつかった。たったそれだけなのに身体がびくっと反応する。
お願いだから気付いて。私は今ものすごく頑張って平静を装っているんだよ。
「……もう、大丈夫だって言ってるのに」
小さく呟く。
本当は全然大丈夫じゃない。南野さんのことだって気になる。この距離だって無理。東が近くにいるだけで心臓が痛いくらいうるさい。何一つ大丈夫じゃないのに。
「俺のこと?」
東が不思議そうに聞く。
そうだよ。そうだよそうだよ。ずっと東のこと考えてるんだよ。今日だって朝からずっと。遠足だって東がいるから楽しみだったし、さっき南野さんを見て落ち込んだのだって東が好きだからだし、今だって顔を見ただけで嬉しくなってる。
全部東のせいだよ。そう言えたらどんなに楽だろう。でも言えるわけがない。
告白するって決めたはずなのに。ちゃんと伝えるって思ったはずなのに。実際に東を目の前にすると何も言えなくなる。このままじゃ告白なんて夢のまた夢だ。
私は小さく息を吐いた。そして意を決して東を見る。
やっぱり近い。どれだけ近くにいても慣れない。たぶん一生慣れない。
「南野さんと、仲良いんだね……?」