君に捧げるアイラブユー
「すぐり」
「……っ、」
今、呼ばれた。東に。名前を。しかも、すぐりって。すぐりって。
すぐりって!
頭の中でその音だけが何度も何度も反響する。
無理無理無理、心臓がもたない顔が熱い。絶対赤い。やばい。どうしよう。
「すぐり?合ってるよな?」
「……あ、合ってる、合ってる!」
慌てて何度も頷く。声が裏返ってないか心配になるくらい必死だった。
すぐりって……東が、すぐりって呼んだ……!
もうダメだ。心の中が完全に大騒ぎ。さっきまでの不安とかモヤモヤとか全部吹き飛んでしまう。こんな簡単に上書きされるなんて!
このまま勢いで、もう今ここで告白してしまおうか!?
ふいにそんな危険な考えが頭をよぎる。
今ならいけるかもしれない。さっき名前も呼んでもらったし、距離も近いし、今しかないんじゃない?
………でも、心の奥で別の引っかかりが残っている。
さっきの南野さんのこと。東の腕にしがみついていた姿。あの視線。胸の奥がざわつく。
私は小さく息を吸ったあと、ゴクッと唾を飲み込んだ。喉が乾く。心臓がうるさい。怖い。でも聞かなきゃいけない気がした。
意を決して、恐る恐る口を開く。
「……南野さんのこと、好きなの?」