君に捧げるアイラブユー
「人たらしって、言葉自体はちょっとよくないけど…それが東のいいところでもあるんだよね」
三木の言葉に、私は曖昧に頷きながらも、胸の奥が少しだけざわつく。
人たらし。確かにそうかもしれない。優しくて、距離感が絶妙で、誰に対しても自然に気を遣えて、気づいたら相手が特別扱いされてる気分になる。ずるいくらいに。
それでいて本人は多分無自覚で、だから余計に質が悪い。
でも──その“人たらし”なところに、私もちゃんと落ちてる。
結局それが一番否定できない事実で、悔しいけど、好きになった理由の一つでもある。
「好きになったきっかけって、なんだったっけ」
三木はまだ窓の外に向かって手を振りながら、何気なくそう言った。
好きになったきっかけ。
私は少しだけ視線を落として、無意識に指先を制服の袖に触れさせる。