君に捧げるアイラブユー



さっきまでの私は何だったんだろう。名前を呼ばれて、舞い上がって、東の隣にいられるだけで幸せで、南野さんのことに嫉妬して、勝手に揺れて、勝手に期待して。


全部、全部、私だけだった。


東の横顔を見上げることもできないまま、視線を落とす。私だけが勝手に距離を詰めて、勝手に近づいて、勝手に傷ついている。

東は何も変わっていないのに。隣にいるはずなのに、どこか遠い。すぐそこにいるのに、手が届かないみたいに感じる。



「……東は」



言いかけて、やめた。言ったところで意味なんてない気がしたから。



……私のこと、一ミリも好きじゃなかったんだね。



口には出せない言葉。出した瞬間、全部終わってしまいそうで怖かった。

東はただ前を向いて歩いている。その背中を見ながら、胸の奥がじんと痛む。

好きになったのは私だけ。期待したのも私だけ。

揺れていたのも、苦しかったのも、全部私だけだったんだと、ようやくはっきり分かってしまった。


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