君に捧げるアイラブユー
結局、東は私の班のところまで鍋を持ってきてくれて、それに対して私はありがとうも言えないまま、東の背中が遠ざかっていくのを見ていることしかできなかった。
なにしてるんだろ、ほんと……。
私が鍋を取りに行っている間に、三木たちが野菜を洗ってくれていたらしく、まな板の上にはすでに皮のむかれた野菜がきれいに並んでいた。
玉ねぎを手に取って包丁を入れると、すぐに目にしみてきた。じわっと涙が浮かぶ。
あー……ほんとに泣きそう。
今なら玉ねぎのせいにできるかな。そう思って必死にまばたきをする。
「すぐり、どうしたー」
隣から三木の声が飛んでくる。にんじんを切りながら、いつもみたいに軽い調子。でも今日は、その声が少しだけ優しく聞こえた。
「玉ねぎ、目に染みる〜っ」
私は笑ってごまかす。何でもないふり。いつも通りのふり。でも一回目と同じようにはいかない。声が少しだけ震えた気がする。誤魔化しきれていないのが、自分でも分かる。