君に捧げるアイラブユー
「ほんとにそれだけ?」
三木の手が止まる。まな板の上に包丁を置いて、真っすぐ私を見る。その視線から逃げられなくて、私は小さく息を吸った。やっぱりバレるよね、こういうの。
「東と何かあった?」
その一言で、胸の奥がきゅっと縮む。やっぱり三木はそういうところ、ちゃんと気付く。
「……東がね、好きとかそういうの分かんないって言ってた」
私は少し笑いながら、玉ねぎをトレイに移した。笑えているのか自分でも分からないまま。
「ほら、三木も切って」
わざと軽く言って、話を切り上げるように促す。三木は少しだけ気まずそうな顔をしながらも、にんじんを切り始めて、沈黙が落ちる。野菜を切る音だけが、やけに大きく響いていた。
「……両想いかも?って思ったときもあったけど、やっぱり勘違いだった」
自分で言って、自分で一番傷ついているのが分かる。
楽しい遠足になるはずだったのに。こんな気持ちでカレー作りするなんて思っていなかったのに。
すると、三木がまた手を止めた。今度はさっきよりもはっきりと、私を真っすぐ見てくる。その目に少しだけ迷いがあるのが分かったあと、小さく息を吐いた。