君に捧げるアイラブユー
「ほんとにそうかな?ほんとに、東はすぐりのこと好きじゃないのかな?」
「……そうなんじゃない?はっきり言われたし。告白する前でよかったよ」
……ほんとによかった。恥ずかしい思いしないですんだんだもん。
これでいい。これで終わりにしたほうがいい。そうしないと、また期待してしまうから。
「……まあ、すぐりがいいんなら私もいいけどさ」
三木がぽつりと言う。その言葉に、私は小さく頷いた。うん、なんて曖昧な返事。納得したふり。
全部なかったことにするみたいに、残りの野菜を切り続ける。包丁の音だけが規則的に響く。そのリズムに合わせるみたいに、気持ちも少しずつ押し込めていく。
もういい。これでいい。そう思うことにする。幸いクラスも違う。距離もある。きっと時間が経てば、ちゃんと忘れられる。そうやって自分に言い聞かせる。
三木と一緒に作業を終えると、あとは男子たちが火を起こしてカレーを完成させてくれた。やがて広がった湯気の向こうに、完成したカレーの匂いが漂い始める。
それは確かに美味しそうで、みんなが笑っているのも見えるのに、私はどこか遠くからそれを眺めているような気がしていた。
胸の奥だけが、ずっと静かに痛んだままだった。