君に捧げるアイラブユー
「でも、私が好きになった東は、あの東だから」
面倒くさい。本当に面倒くさい。恋ってこんなに厄介だったんだって、今さら知ってしまった。
私だけを見てほしいのに、東には東のままでいてほしいなんて、矛盾した願いばかり増えていく。
じーっと二階から校門の方を見つめていると、不意に東が顔を上げた。
「え?気づいてる?」
「手、振っちゃえ!」
三木の声に背中を押されるみたいに、私は少しだけ迷って、それから思い切って手を振った。
私じゃなかったら恥ずかしいな、なんて一瞬よぎるけど。
できるだけ大きく、分かるように。すると東はすぐに気づいて、軽く笑って手を振り返してくれた。
その瞬間、全部がどうでもよくなるくらい、胸の奥がふわっと軽くなる。
「……もう、これだけで生きていける」
「単純だな、ほんと」
単純だよ、本当に!