君に捧げるアイラブユー
私は小さく息を吐いてから階段を上がり、彼女の隣に腰を下ろした。
視線の置き場に困って、何となく階段の下を見て、ふと変なことを考える。
これ、一番下から見たらスカートの中見えるんじゃない? いや、見えないか。
現実逃避だ。完全に現実逃避。
今から何を言われるのか考えたくないから、どうでもいいことに意識を向けているだけ。本当は分かっている。分かっているから怖いんだ。
南野さんがわざわざ私を呼び出して、二人きりになってまで話したいこと。そんなの一つしかない。
私はそっと唇を噛んだ。心臓が嫌な音を立てる。
「あのさ」
南野さんがぽつりと口を開く。 その声を聞いただけで、私は反射的に身体を強張らせた。
「……はい」
喉が少し乾いている気がした。
きっと東のことだ、そう思った瞬間、胸の奥が嫌な音を立てる。聞きたくない、でも聞かないわけにもいかない。
そんな複雑な気持ちのまま、私は隣に座る南野さんの横顔を見つめた。