君に捧げるアイラブユー
「告白もしないで諦めるなんて……私は絶対許さないから……」
その声はもう怒鳴り声じゃなくて、泣き疲れたみたいな声だった。
かすれていて、弱々しい。でも不思議なくらい真っ直ぐだった。
私はそんな彼女を見つめる。
この人は、今まで何度こうやって泣いてきたんだろう。
東に振られた夜、気持ちが届かなかった日、東が自分を見てくれないと知った時。
誰にも見せない場所で、こうして声を殺して泣いてきたんだろうか。
そう思ったら胸が締め付けられた。痛い。苦しい。まるで自分のことみたいに。
………もし私も告白したら。 東に気持ちを伝えたら。同じ未来が待っているのかもしれない。届かない想いを抱えたまま、何年経っても忘れられなくて、ずっと苦しみ続けるかもしれない。
「……もし、振られたらっ……?」
南野さんは少しだけ眉をひそめる。 そして小さく息を吐いた。
「……そんなの知らない。私としては、そのほうが嬉しいし……」
一瞬だけ呆ける。それから思わず苦笑が漏れた。