君に捧げるアイラブユー



「それ聞いたらさ……なんか余計に思っちゃって……私なんてもっと無理なんじゃないかなって」



だってそうじゃないか。南野さんは可愛い。明るい。人気者。東と過ごした時間だって長い。私なんかよりずっと東を知っている。それなのに駄目だった。

だったら私なんて最初から勝負にもならないじゃないか。そんな考えが頭から離れない。



「東ってさ……恋したことないって言うし……」



『好きとかそういうの俺には分かんないわ』

その言葉を思い出すだけで胸が苦しくなる。東は誰も好きにならないのかもしれない。誰も特別になれないのかもしれない。もしそうなら、どれだけ好きでも届かない。頑張りようがない。

どうしたらいいのか分からない。私は唇を噛んだ。



「でもね……」



そこまで言って言葉が止まる。喉の奥が苦しい。涙が出そうになる。



「終わらせたくないんだ」



小さな声だった。



「好きって言わないまま終わるのは嫌なの」


< 177 / 197 >

この作品をシェア

pagetop