君に捧げるアイラブユー
「じゃあ、放課後返しに来てよ?」
「ん」
「……そのあと、一緒に帰りたい」
「はは、いいね」
その笑い声に、胸がきゅーってなる。
一緒に帰りたいって、本当は少し、勇気を出して言ったこともきっと伝わっていない。
本当はいつも、ドキドキしてることなんて、きっとひとつも伝わっていない。
目が合うだけで呼吸が乱れることも、声を聞くだけで嬉しくなることも、全部全部、私の中だけに閉じ込められたままだ。
……好きだよ、東。
「…帰り、話したいことある」
もう、誤魔化すのはやめたかった。
東に似合う女の子になるために、無理して笑ったり、余裕あるふりをしたり、そういうの全部、したくなかった。
私を見てほしい。等身大の私を、ちゃんと見てほしい。
東は一瞬だけ目を瞬かせて、それからいつも通りやわらかい声で、「うん、分かった」と頷いた。
「じゃあ、放課後そっち行くから待ってて」
「うん」
たったそれだけのやり取りなのに、胸の奥が騒がしいままだ。
立ち上がった東が、私を見下ろす。三日月みたいに細められたかわいい瞳。その優しい視線に、また息が詰まりそうになる。
ああ、だめだ。やっぱり好きだ。
逃げたくない。もう誤魔化さない。
待っててよ、東。放課後、今日こそ、伝えるから。
だから、それまで私のこと考えてて。ほんの少しでいいから。私のこと、ちゃんと考えてて。