君に捧げるアイラブユー



「でもさ、好きな人の前で可愛くいたいって普通じゃない?」

「……そうかな」

「そうだよ。みんな多少猫かぶるって」



三木の言葉に少しだけ顔を上げる。

でも、不安は消えなかった。


ほんとの私は、こんなんだ。


好きな人ができただけで毎日振り回されて、ちょっと優しくされただけで舞い上がって、勝手に落ち込んで、勝手に期待して。

全然余裕なんてない。



東が見てる私は、多分かなり盛ってる。

静かで、おとなしくて、落ち着いてて、ちょっとクールっぽい感じ。

いや、違う。頑張ってそう見せてるだけだ。本当は、こんなにめんどくさいのに。



「……東が知ったら、どうなるかな」

「なにが?」

「ほんとの私」



三木の手がぴたりと止まる。



「幻滅されるかな……」



そう呟いた瞬間、胸の奥がぎゅっと痛くなった。


東に嫌われたくない。引かれたくない。

もし「思ってたのと違った」なんて思われたら、立ち直れない。

だから私は、東の前ではずっと猫をかぶってる。かっこいい女の子でいたい。



東の隣にいても恥ずかしくない女の子になりたいよ。


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