君に捧げるアイラブユー
東の手、大きいな。とか。指長いな。とか。そんなことばっかり考えてしまう。もうまともに思考できてない。
しかも東、階段を降りるたびちゃんと私に合わせてゆっくり歩いてくれる。
急かさない。置いていかない。当たり前みたいに隣にいてくれる。その優しさが嬉しくて、でも同時に苦しかった。
だって期待してしまうから。避けられてると思ってたのに、こんなふうに優しくされたら、期待しない方が無理だ。
もしかして嫌われてない?とか。避けてたわけじゃない?とか。そんな都合のいいことを考えてしまう。
だけど、そのたびに「いやいや」って自分で打ち消す。
だって東は優しいだけ。私だけ特別なわけじゃない。分かってる。
分かってるのに、繋がれた手があまりにも温かくて、どうしても期待してしまう。
好きな人って、なんでこんなに簡単に心をぐちゃぐちゃにしてくるんだろう。
あと、ちょっとだ。あと少しで昇降口に着く。あと少しで、この時間が終わる。
……あと少しで、手が離れる。
そう思った瞬間、胸の奥がきゅっと締め付けられた。