君に捧げるアイラブユー
嫌だ。離れたくない。
そんな気持ちが無意識に指先に出てしまったのか、私は東の手をぎゅっと握っていた。
はっとする。
でも、もう遅い。やばい。今の絶対バレた。慌てて力を抜こうとした、その瞬間だった。東が、私より少し強い力で握り返してきた。
「……っ」
「大丈夫だよ、西宮」
低くて優しい声。まるで安心させるみたいに、東はそう言った。その一言だけで、胸の奥がじわっと熱くなる。
「…うん」
かろうじて返事をする。
でも、本当は全然大丈夫じゃなかった。
大丈夫だよ。東がいたら私は大丈夫だよ。
それは本当。
東がこうして隣にいてくれるだけで、不安なんて全部消えていく気がする。
怖かった階段も、東が手を繋いでくれてるだけで全然平気だった。