桐生くんには敵いません!
 モデルのようにスラッと伸びた手足、柔らかな少し癖のある薄茶色の長い髪の毛。
 大きな瞳とツヤツヤでぷっくりとした愛らしいピンクの唇。
 そこから発せられる弾丸のような関西弁はミスマッチだ。

「顔合わす度にイチイチ突っかかってこないでよね、水谷さん」
「ウチだってあんたに構いとおない! 福の側に来んといて、災いめ」
「それそっくりそのまま返すよ。大体さ、俺と福ちゃんは幼なじみだけど? 後から現れたエセ姫こそ、福ちゃんに災いをもたらしてるんじゃない?」

 涼しい顔して、さあちゃんを見下ろす桐生くん。
 ちょ、幼なじみってほど長くいたわけじゃないし、さあちゃんにエセ姫とか失礼なこと言わないでよ。
 確かに姫らしくはないけれども。

「それ言うんやったら、ウチは福の親友やで? あんたこそ、ミスターだかウスターだか知らんけど、福見つけると近寄ってきては、イジっとるやないけ! この悪魔!」

 さあちゃん、ウスターはソース! あ、悪魔は正解!
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