初恋の君は、闇を抱く。
「じゃあ……終電だし私そろそろ帰るね」
「気を付けて帰れよ」
それだけなのに、胸が再びぎゅっとなる。
振り返らずに歩き出したのに、背中が妙に熱くて。
イブ……今どんな顔してるんだろう。
考えないようにしても、頭から離れなかった。
ーーーきっとまた会えるよね。
そう思った瞬間、
なぜか少しだけ怖くなった。
静まり返った家に着いて、鍵を閉めても缶コーヒーの温もりが手に残っていた。
今夜の事……忘れたくないな。
ベッドに入って目を瞑っても、イブの顔が目に焼き付いて離れなかった。