初恋の君は、闇を抱く。

こんな天気じゃ、ゼロ番のみんなも解散してるはず。

「駅までって、結構距離あるし」

「いいの!」

そんなことを言い合ってるうちに、私達の近くにいたおばあさんが

「あら、傘売切れちゃったのね……」

と、残念そうにつぶやいた。

外は小雨だったのが、本降りになってきている。

このおばあさんも傘買いにきたんだ……。


「……これ、よかったらどうぞ」

その時イブがそのおばあさんに傘を差しだした。

「え?いいの?あなたたちは……」

「近くなんで大丈夫です」

笑顔のイブを見て、私も慌てて頷いた。

「気にしないで買ってください!」

私の言葉におばあさんはありがとうと微笑んで、お礼に私が持っていたアイスを買ってくれた。

おばあさんがコンビニを出てってから、イブが「ごめん」と小さく呟いた。


「ううん!いいの!私もそうしたいと思ってたし。すぐに行動に移せるイブはすごいよ」

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