初恋の君は、闇を抱く。

一瞬、時間が巻き戻った気がした。

昔……公園で見上げたあの目と、重なる。

「久しぶり」

声を掛けられて、ハッと我に返る。

「い、イブ……久しぶり、だね」

やばい、震える。

「……どっか行くの?」

「今からゼロ番に行こうと思って……」

「そっか」

それ以上、言葉が続かない。

久しぶりに会えたのに、何を話せばいいのかわからなかった。

それに、近くで見るとすごい……本当に綺麗な目をしている。

いつもそれを隠すかのようにフードを被ってるのに、今日は被っていないからよく見える。

その時だった。

外で、突然バラバラと大きな音がした。


「……雨?」

「だな、急すぎ」

「嘘……雨降ると思わなくて傘持ってきてなかった」

「俺も」

突然の雨に、コンビニの傘は次々と売れてしまい、残りの1本となった。

「ほら、これ」

イブが私に傘を差し出す。

「え!いいよ、イブが買って!私は駅まで走るから」

< 54 / 65 >

この作品をシェア

pagetop