ライバルがユーレイなんて聞いてない!


 それから彼女のことが気になって、気づいたら視線で追いかけるようになっていた。

 決して目立つタイプではないけれど、よく周りを見ていて細かい心配りができる。
 教室に忘れ物をして取りに戻った時、一人で日誌を書いていた時は驚いた。


「あれ? 真白さん日直じゃないよね?」

「日直は麻生さんなんだけど、予定があって早く帰らなきゃいけないらしいから代わったの」

「え……そうなの?」


 麻生さん、他の女子たちと楽しそうにおしゃべりしながら帰ってたけど……。

 日直の仕事、押し付けられたんじゃないか?


「真白さんは大丈夫なの?」

「? 大丈夫だよ」


 きょとんとしながら答える表情に胸がキュッとなり、気づいたら真白さんの目の前に座っていた。


「俺も手伝うよ」

「え、小日向くんも?」

「二人でやったら早く終わるだろ」

「ありがとう」


 へにゃ、とうれしそうにはにかんでくれた。
 その笑顔がかわいくてかわいくて、完全に恋に落ちてしまった。

 虹架ちゃんはクラスでは目立たない方だ。
 だから虹架ちゃんのかわいらしさに気づいているのは、俺だけ。

 俺だけだと思ってたのに――。


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