【完結】Blackberry
18 拘束
side木本竜
「へぇ〜、なるほどなぁ。」
薄暗い廃工場跡。
その真ん中で、俺は椅子に縛りつけられた女を眺めながら、ゆっくり煙草に火をつけた。
一ノ瀬が“隠す”って事は、
こいつは本物って事だ。
「月城梨紗、ねぇ。」
女は震えながらも、俺を睨もうとしていた。
そんな目しても無駄なんだよ。
こっちはその目を曇らせる方法をいくらでも知ってる。
「なぁ、あんた。分かるよな?」
俺は顎で、撮影用のスマホを示す。
「お前をここに座らせて、一ノ瀬に動画送ってやるんだよ。
“お前の大事な女は預かった”ってな。」
梨紗は唇を噛んだ。
血が滲むほどに。
「……お願い、やめて。
一ノ瀬さんを巻き込まないで……」
その言葉を聞いて、思わず笑い声が漏れた。
「巻き込まなきゃ意味ねぇんだよ!」
俺は近づいて顔を覗き込んだ。
「お前は一ノ瀬の弱点。
弱点は、潰すためにある。」
カメラマン役の準幹部が構える。
「木本さん、いつでもどうぞ。」
「おう。」
スマホを向け、ゆっくりと口角を上げた。
「元・鬼千会若頭、一ノ瀬燐牙。
お前の可愛い女、こっちで預かったぜ。
返して欲しけりゃ――」
その時だった。
天井が、ドンッ……!と揺れた。
鉄骨が震え、埃が舞い落ちる。
「なんだ……?」
準幹部どもがざわつく。
もう一度、天井が“蹴り飛ばされたように”揺れた。
そして、
「梨紗、どこだ。」
低く、怒りで煮詰められたような声が――
真上から響いた。
準幹部が青ざめた。
俺も、思わず息が止まった。
まさか、
まさか本当に……
ひとりで来やがったのかよ、あいつ。
天井が抜け、黒い影が落ちてくる。
黒いコート。
血のように赤い目。
狂犬みてぇな殺気。
俺が最も殺したかった男が、
まさに“死神”として立っていた。
一ノ瀬燐牙。
「テメェら全員、殺す。」
戦いが始まった。
「へぇ〜、なるほどなぁ。」
薄暗い廃工場跡。
その真ん中で、俺は椅子に縛りつけられた女を眺めながら、ゆっくり煙草に火をつけた。
一ノ瀬が“隠す”って事は、
こいつは本物って事だ。
「月城梨紗、ねぇ。」
女は震えながらも、俺を睨もうとしていた。
そんな目しても無駄なんだよ。
こっちはその目を曇らせる方法をいくらでも知ってる。
「なぁ、あんた。分かるよな?」
俺は顎で、撮影用のスマホを示す。
「お前をここに座らせて、一ノ瀬に動画送ってやるんだよ。
“お前の大事な女は預かった”ってな。」
梨紗は唇を噛んだ。
血が滲むほどに。
「……お願い、やめて。
一ノ瀬さんを巻き込まないで……」
その言葉を聞いて、思わず笑い声が漏れた。
「巻き込まなきゃ意味ねぇんだよ!」
俺は近づいて顔を覗き込んだ。
「お前は一ノ瀬の弱点。
弱点は、潰すためにある。」
カメラマン役の準幹部が構える。
「木本さん、いつでもどうぞ。」
「おう。」
スマホを向け、ゆっくりと口角を上げた。
「元・鬼千会若頭、一ノ瀬燐牙。
お前の可愛い女、こっちで預かったぜ。
返して欲しけりゃ――」
その時だった。
天井が、ドンッ……!と揺れた。
鉄骨が震え、埃が舞い落ちる。
「なんだ……?」
準幹部どもがざわつく。
もう一度、天井が“蹴り飛ばされたように”揺れた。
そして、
「梨紗、どこだ。」
低く、怒りで煮詰められたような声が――
真上から響いた。
準幹部が青ざめた。
俺も、思わず息が止まった。
まさか、
まさか本当に……
ひとりで来やがったのかよ、あいつ。
天井が抜け、黒い影が落ちてくる。
黒いコート。
血のように赤い目。
狂犬みてぇな殺気。
俺が最も殺したかった男が、
まさに“死神”として立っていた。
一ノ瀬燐牙。
「テメェら全員、殺す。」
戦いが始まった。