この恋に名前をつけるとするならば
「···嬉しい。」
「えっ。」
「そう思っててもらえてたなんて。気持ち悪いだなんて、思わないよ?」
わたしがそう言うと、命くんは照れくさそうに微笑んで、それからそっとわたしの手に命くんの手を重ねた。
「何か、こうして麗月さんと一緒に居れるのが、夢みたいです。」
「それは、わたしも同じ気持ち。もう···、命くんに会えないかもしれないって思った時···、凄く不安になったから······」
わたしはそう言って、命くんの手を握り返した。
命くんの手は大きくて、温かい。
男らしさの中にもしなやかさのある綺麗な手だ。
すると命くんは、身体をわたしの方に向け、そっと優しくわたしの頬に手を触れてきた。
触れられた事にドキッとするわたし。
でも、全く嫌ではない。
「俺も···、もう麗月さんに会えなかったらどうしようって、不安でした。ずっと、麗月さんの事が頭から離れなくて······」
そう言う命は真っ直ぐな瞳でわたしを見つめていた。
目を逸らす事が出来ない程、澄んだ綺麗な瞳。
まるで吸い込まれてしまいそうだ。
「麗月さん、俺···、麗月さんが好きです。」
"麗月さんが好きです"――――
その言葉がわたしの中にこだまする。
(これは······夢じゃ、ないよね?)
「誰にも···麗月さんを取られなくない。どこにも行ってほしくない。」
「わたしは···、どこにも行かないよ?」
わたしは命くんの気持ちに応えたい。
その一心で、自分でも恥ずかしい言葉を絞り出していた。
「命くんのものに、なりたい。」
わたしがそう言った瞬間、命くんは「···もう無理だ。」そう呟いて、わたしに顔を寄せた。
それは一瞬の出来事のようだったが、スローモーションのようにも見えて、わたしにはとても長い時間に感じた。
そして気付けば、わたしたちは唇を重ねていた。