この恋に名前をつけるとするならば

休み明け、また忙しない一週間が始まる。
しかし、今までと違う事が一つ増えた。

それは、寝る前の命くんとの電話だ。

仕事でどれだけ疲れていても、命くんとの電話は欠かさなかった。
別に無理をしているわけではない。
わたしが命くんの声が聞きたいから···、命くんの声を聞く事で癒されるからだ。

そんな中、仕事は毎日残業続きで、正直疲れは溜まりに溜まっていった。

しかし、わたしの代わりの事務員はいない。
わたしがやらねばならないのだ。

新店舗3店の販促物の用意や、食材、包材の発注、人員補充の為の電話対応、面接に採用準備まで全て一人でこなしていた。


そんなある日の午後。
わたしは今日も休憩は取らずに野菜ジュースのみで業務を続けていた。

すると、ふと自分の手が紫色に腫れ上がっている事に気付いた。

「え、何これ···」

その内、手から腕、肩まで痺れと痛みが走り、身体が思うように動かなくなってきた。

「何、これ。痛い···っ······」

頭の中がぼんやりとしてきて、視界が揺らぐ。
それから目の前は真っ暗になり、わたしは意識を失った。






「······っ―――――」

次第に開けてきた視界。
見えるのは、どこかの天井だ。

(ここは···?わたし、あれ?仕事中だったはずじゃ······)

そう思いながらふと横を見ると、わたしの腕には点滴が繋がっており、ここが病院である事に気付く。

すると、しまっていたカーテンが開き、看護師さんが様子を見に来てくれた。

「あ、凪原さん。目を覚ましてたんですね。気分はどうですか?」

そう言って、点滴を確認する看護師さん。

わたしは「まだちょっと頭がボーッとします。」と答えた。
< 51 / 69 >

この作品をシェア

pagetop