この恋に名前をつけるとするならば
「とりあえず、命の家にでも行こうか。」
郁人さんのその一声で、郁人さんの車で命くんの自宅に向かうわたしたち。
(わたしが倒れたあと、事務所はどうなってるんだろう。仕事は······)
わたしがそんな不安を抱えていると、後部座席のわたしの隣に座る命くんがわたしの顔を覗き込んで来た。
「もしかして、仕事の事考えてた?」
図星をつかれ苦笑いを浮かべるわたし。
すると郁人さんは「麗月さんの労働環境、問題ありまくりだから労基に言った方がいいですよ。」と言い、それから郁人さんは「そっちの方は俺に任せて、麗月さんは今は身体を休める事だけ考えて。」と言ってくれた。
命くんの自宅に到着すると、野菜たっぷりのコンソメスープを作ってくれた郁人さん。
命くんはというと、わたしを心配し過ぎてお姫様抱っこで自分のベッドまで運ぶと、過保護という程に身の回りのお世話をしてくれた。
「ほら、麗月さん。あーん、して!」
そう言って、郁人さん作のコンソメスープを食べさせてくれようとする命くん。
わたしは照れてしまい「自分で食べれるよ。」と言ったのだが、命くんは「いいからいいから!はい、あーん!」と言い、コンソメスープを食べさせてくれた。
「わたしは、何を見せられてるの?あーあ、いちゃこらしちゃって、ヤダヤダ。」
そう言い、呆れるように目を逸らす芽衣さん。
すると郁人さんが寝室に入って来て、「どう?食べれそうかい?」と様子を見に来てくれた。
「はい、美味しいです。ありがとうございます。」
「それは良かった。それで、麗月さん。聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
そう言って、命くんの横にしゃがみ込む郁人さんは、穏やかな表情から一気に険しい表情へと変わった。
「病院では、何て言われたかな?」
「え、病院で、ですか?倒れたのは、過労だろうって。」
「他には?」
「検査をしてくれたみたいなんですが、他に異常は見られなかったって言われました。」
「そっかぁ···」
何か腑に落ちないような表情をする郁人さん。
そんな郁人さんに、わたしは自分で感じた違和感を伝えてみる事にした。